通信障害? 太陽フレアの影響とは?


太陽フレアとは



太陽フレアとは、太陽の表面で起きる爆発のことです。

小さい太陽フレアは1日に3回ほど発生しており、人工衛星や観測機器への影響や、地球上での通信障害が発生するレベルの太陽フレアは約10年に一回程度で起きています。

 

また、太陽以外の恒星によって引き起こされる超巨大なフレアをスーパーフレアといい、西暦775年に地球にその影響があった痕跡が屋久島の屋久杉に残されています。

 

2022年4月28日、総務省は「太陽フレア」による被害想定を初めて取りまとめ、100年に一度起こる最悪の太陽フレアが発生した際、

スマートフォンが2週間程度使えなくなる可能性があると報告されました。

 

太陽フレアが起こす影響

太陽フレアの影響としては、

  • 携帯電話やテレビが使えなくなる
  • 通信障害による空港閉鎖
  • 大規模な停電

などの、私たちの生活インフラに多大な影響を及ぼすことが見込まれます。

特に総務省は、100年に一度起きる最悪の太陽フレアが起きた場合、宇宙空間に大きな変動が発生し、スマートフォンやテレビが2週間ほど停止または通信障害を起こすという被害が予想されています。

また、その際、航空機が飛べなくなり、空港が閉鎖が余儀なくされます。

さらに、太陽フレアの影響で地球の周りの地場に太陽からの電磁気が影響をあたえることで、地上の送電線に大電流を加えてしまいます。

その結果、電力設備の故障が起こり、大規模停電が発生します。

 

これまでの太陽フレアによる被害

1989年

1989年、大規模な太陽フレア発生後にカナダで9時間に及ぶ大停電が起き、約600万人が影響を受けました。地球は磁石が南北を指すように、磁場に包まれていますが、そこに太陽からの強い電磁気を浴びると地上の送電線に大きな電流が流れ、これが電力設備の故障を引き起こしたと考えられ、この大規模な停電につながったと考えられています。

現在、通信機器やインターネットなどを非常に多くの場面で使用しており、次に同規模の太陽フレアが発生すると、莫大な経済損失が発生するという見方の意見も出ています。

 

2003年

2003年10月に発生した太陽フレアは観測史上最も激しく、数十にも及ぶ人工衛星や惑星探査機が一瞬にして機能障害に陥りました。後日行われた復旧作業によって大半は正常に戻りましたが、米国の気象衛星の観測機器などのいくつかの計測機器や実験機器は完全に故障してしまったそうです。人工衛星で永久故障したものもあります。

また、この太陽フレア発生時、国際宇宙ステーションでも避難が行われたそうです。

ただ、被害は限定的で一時的なものでした。

 

2012年

2012年7月に発生した太陽フレアから放出された太陽嵐は、地球の軌道上を通っていたことが分かっており、発生がほんの1週間前にずれていたら地球に直撃していたと言われています。
幸い軌道からは免れたものの、もし直撃していれば「現代文明を18世紀後退させる」ほどの威力で、世界中で未だかつてない規模の通信障害や停電が起こっていたかもしれないとNASAが発表しています。

次の10年間でこれと同程度の太陽フレアが実際に地球を襲う確率は12%であるとNASAが報告しています。今はちょうどそれから10年後ですね~。

 

太陽フレアの被害を抑えるための対策

総務省の被害想定より、政府は主に2つの対策を講じようとしています。

  1. 宇宙天気予報士の創設
  2. 太陽フレア警報の強化

まず1つ目の宇宙天気予報士の創設に関しては、

太陽フレアが地球に与える影響を予測するために、専門組織を編成し

宇宙天気予報の精度を向上させるというものです。

 

2つ目の太陽フレアの警報強化に関しては、

太陽フレアによる警報の基準を設定し、通信、電力、などの生活インフラそれぞれの分野に基準を設け、状況に応じて「通常」「注意報」「警報」といった段階ごとに情報を発信することが検討されています。

 

次の大規模な太陽フレアはいつ起きる?

2020年、太陽活動が2019年12月頃より第25周期に突入したことをが発表されました。2022年4月現在、太陽はゆっくりと確実に活動度を上げつつあります。

また、太陽活動はおよそ11年周期で変動しているため、

次の太陽活動のピークは2025年頃で、現在は活動が強まる時期にあります。

そのため、2025年ごろに大きな太陽フレアが発生する可能性があります。

まとめ

私たちは太陽フレアを止めることはできないため、

生活に影響が出る前に対策することや、影響が出てから迅速に復旧することが求められます。

現在、総務省が初めて被害想定を取りまとめ、2週間スマホが使えなくなる可能性があると報告しましたが、2025年ごろまでに多くの対策が講じられ、被害が最小限に抑えられたらいいですね。

 

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